3Dプリントで一人一人にフィットする、アシスティブ・テクノロジー

様々な用途に使用される3Dプリント。今回はアシスティブ・テクノロジーに3Dプリントを使用している例をご紹介いたします。

アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)とは、障害者を支援するための技術や福祉用具、ソフトウェアのことをいいます。例えば、視覚障害者のためのコンピューターのスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)や、立ち上がることが難しい人のための移乗用リフトなどです。

姿勢の仕組みの理解を助けるツール

非営利団体Eleanore’s Projectは、障害のある子供たちとその家族の生活をより良いものとするための支援を行っており、アシスティブ・テクノロジーがまだ一般的でないペルーを中心に活動しています。

Eleanore’s Projectの設立者、Tamara Kittelson-Aldredさんによれば、障害のある人々が健康でいるためには、それぞれが必要なサポートを受けることが大切であると言います。なぜなら、こういったサポートがなければ、関節の脱臼や脊柱彎曲、その他の合併症により、体の変形につながってしまうためです。

しかし、この大切さを伝えるには、解剖学や医学用語、また筋肉や骨格の仕組みの知識がないと難しく、言葉の壁があればなおさら困難だとKittelson-Aldredさんは言います。

そこで、ペルーの人々に分かりやすく説明するため、Kittelson-Aldredさんは、作業療法士でありEleanore’s Projectの役員のSammie Wakefieldさんと、姿勢の仕組みを見せるモデル「Hammie」を作りました。骨盤や脚、背骨の仕組みを単純化して見せるHammieにより、ペルーの人々に分かりやすく体の仕組みや適切なサポートの大切さを説明できるようになりました。しかし、Hammieは木材から手で作製されていたため、作製時間がとても掛かる上、長期間のうちに使い古されてしまいます。

3Dプリントとの出会い

Hammieのネックであった作製時間と耐久性の面を改善したのが、3Dプリンターでした。

Eleanore’s Projectのために技術チームの一員としてペルーでボランティア活動をしていたBrian Burkhardtさんの目にHammieが留まりました。Burkhardtさんは、これは木で作製するよりも3Dプリントした方が簡単に作れる、と思ったそうです。

ちょうど、Burkhardtさんは、Markforged社の3Dプリンターを手に入れたところでした。材料Onyxを使用して試作を何度も繰り返しましたが、とても早く、かつコストを抑えて試作をすることができたといいます。

Hammieの作製には、かつては材料費にして$100掛かっていたところが、今では$40の材料費にまで抑えることができ、その上35%も軽量化されました。

人それぞれに合ったカスタム機器

BurkhardtさんはこれまでABS樹脂で3Dプリントをしたことがありましたが、連続繊維強化材を使用したMarkforgedでは、その違いは歴然でした。退役軍人局のリハビリ機器エンジニアでもあるBurkhardtさんは、こういったメリットから、退役軍人局の病院でもMarkforged社技術を取り入れることにし、病院はMark Twoを購入しました。

Burkhardtさんは、Mark Twoを用いて人それぞれにのニーズに合わせたカスタムの福祉機器を作製しています。細かい動きが難しい人のための画面タッチペンのホルダーや、脊髄を損傷した退役軍人の筋肉拘縮を防ぐための人間工学的に設計された添え木などを作りました。

Burkhardtさんは、何でも「No」というのではなく「やってみよう」という姿勢に変わったといいます。3Dプリンターによって、様々な福祉機器や用具を作れる可能性が大きく広がりました。


3Dプリントに興味がありますか?サンプルや詳細などについて、3D Printing Corporationにお気軽にお問い合わせください

出典元:

https://markforged.com/blog/assistive-technology/

https://www.fabbaloo.com/blog/2019/3/6/the-right-fit-3d-printer-for-the-right-assistive-fit