アメリカのAM展示会「Rapid + TCT 2019」に行ってきました!

2019年5月21日~23日にアメリカ・デトロイトで行われたアディティブ・マニュファクチャリング(付加製造/3Dプリンティング)の大きな国際展示会「Rapid + TCT 2019」に行ってまいりました!

そこで見た最先端の付加製造技術とその動向を写真と共にご紹介いたします。

Rapid + TCT展は、規模としてFormnextに次ぐ大きさの付加製造技術の国際展示会といわれています。Formnextがヨーロッパで開催されるのに対し、Rapid + TCTはアメリカで開催されるため、参加企業や客層、関心もアメリカのものがやはり多く見られます。

今年のRapid + TCTは、かつて栄えた「自動車の街」として知られるデトロイトで開催されました。会期中たくさんの出展者と話しましたが、開催地の場所柄のせいか来場者が少ない印象だったのは彼らも同じだったようです。しかしながら、今回のRapid + TCTの3Dプリンティング関連のエリアでは、良い展示がいくつも見られました。

今回の展示会から見えた今年の主要動向は、後処理、ソフトウェア、そして大型フォーマットでした。

US海軍による3Dプリントで製造された潜水艦。立っている人と比べるとその大きさがよく分かります。

US海軍による3Dプリントで製造された潜水艦。立っている人と比べるとその大きさがよく分かります。

後処理

後処理機器やその技術に関する新しい発表は特にありませんでしたが、後処理関係の展示が増加していることが目に見えて分かりました。これの意味するところは、3Dプリンティングが試作技術から製造技術に変化していることであると思います。

ソフトウェア

会場では新しいソフトウェアが多く展示され、さらに出展者の多くがソフトウェアを3Dプリンティングのプロセスの一つとして紹介していました。このことから、今回の展示会ではソフトウェアにも大きな焦点が当てられていることがよく分かりました。

例えば、アメリカの3DプリンターメーカーMarkforgedからは「Blacksmith」が発表されました。Blacksmithは、完璧な部品を製造するために、生産工程の繰り返しの中で自ら学習し自動調整するAIソフトウェアです。このソフトウェアは、部品を3Dプリントした後、細かな3Dスキャンを撮って元のCADデータと比較し、過去の造形から学習した知識を元に造形時のパラメータを調整し、形状の不正確な箇所を自動で修正します。Blacksmithはこれから正式にリリースされるため、まだ詳細については不明な点が多いですが、Markforgedのブースで見たデモには感心させられました。

また、ベンチャー投資および製品開発会社のXponentialは、新しいソフトウェアのパラメータを紹介していました。このソフトウェアのワークフローは3Dプリンティングによる製造において使いやすいように出来ており、またトポロジー最適化機能が見事でした。

Rapid + TCTはアメリカの団体によって主催されているためか、ドイツ企業主催のFormnext展で多く見られたパウダーベッド方式の3Dプリンターは少なく、代わりに超大型サイズの3Dプリンターが多く展示されている印象を受けました。

ヘリコプターを製造するPPSUカーボンファイバーの型は大迫力でした。

ヘリコプターを製造するPPSUカーボンファイバーの型は大迫力でした。


大型

インテリアデザインや工具、重工業などの幅広い分野において、大型3Dプリンターやその技術の応用品が数多く展示されていました。その中でも特に印象的だったのが、アメリカのメーカーTitan Roboticsによる、高速でCNCグレードの大型3Dプリンターです。


この大型3Dプリンターは主に製造用工具の生産や、壊れにくい大きな物体の生産などに使用されます。製造業への大型3Dプリンターの導入にはまだ課題が残りますが、彼らは造形スピードを上げることにより、導入のハードルを下げることに成功しています。

また、カナダのメーカーAON3Dは、会場で新しい「M2」3Dプリンターを発表しました。M2はコンパクトなサイズながらも十分に大きいビルド容積で、PEEKなどのスーパーエンプラを使用することができ、今回の展示会で最も注目された展示のひとつでした。AON3Dは、市場で最も優れた超高性能ポリマー3Dプリンターのメーカーといわれており、ここ数年で大きく成長しました。特にアメリカの航空宇宙関係の企業に評価されており、従来までの性能のあまり高くない機械から買い換えています。

私たちがこれまでに見た3Dプリンターで作られたPEEKの部品の中で最大サイズでした。

私たちがこれまでに見た3Dプリンターで作られたPEEKの部品の中で最大サイズでした。

AON3DとSabic社のUltemは抜群の組み合わせです。

AON3DとSabic社のUltemは抜群の組み合わせです。

他にもたくさんの素晴らしい展示や企業がありました。全てをご紹介することはできませんでしたが、このレポートでRapid + TCT 2019の雰囲気をお伝えできたなら幸いです。

私たちは来年のRapid + TCTにも行く予定です!また、11月にはFormnextにも行ってまいりますので、そのレポートも乞うご期待ください。

こういった展示会や出展企業についてもっと詳しくお知りになりたい方は、お気軽に弊社までお問い合わせください