金属3Dプリンター

May 25, 2026

【石油・ガス業界】ExxonMobil社が金属3Dプリンター「Meltio M600」を活用し、製造コスト42%削減・納期90%短縮に成功した事例

石油大手エクソンモービル社が金属3Dプリンター「Meltio M600」を活用し、チタン部品の製造コスト42%削減、納期を6週間から58.8時間へ短縮した最新事例を解説。国内でのMeltio活用や受託製造、DfAMのご相談は横浜のMadeHereへ。

石油・エネルギー世界最大手のExxonMobil(エクソンモービル)社が、米国ルイジアナ州の製油所において、従来のCNC切削加工からMeltio社のワイヤーレーザー金属3Dプリンティング技術(LMD法:Laser Metal Deposition)へ移行した最新事例をご紹介します。

概要

導入企業 エクソンモービル(ExxonMobil Corporation) ルイジアナ製油所
採用技術・設備 ワイヤーレーザー金属3Dプリンター「Meltio M600」(LMD方式)
活用素材 チタン合金(Titanium 64 / Ti-6Al-4V)
対象部品 機器のオイル漏れを防ぐ「アンチウィッキング(防芯)装置」の再設計・製造
圧倒的な効果
  • 製造コスト:42%削減($2,125.00 → $1,222.50)
  • リードタイム:90%短縮(4〜6週間 → わずか58.8時間)

1. 従来のCNC加工における課題

エクソンモービル社の製油所では、オイルが熱電対ワイヤーを伝って電気キャビネット内に侵入するのを防ぐため、アンチウィッキング装置を使用しています。従来のアンチウィッキング装置の製造はCNC旋盤・フライス加工によるものでしたが、以下の課題を抱えていました。

  • 密閉性の問題とオイル漏れ: 従来の円筒形CNC加工部品は密閉性が不十分で、日常的なメンテナンスも複雑なため、オイル漏れの原因となっていました。
  • 激しい振動による不安定さ: 専用の取付ブラケットがなく、連続する工業振動の中で重い金属容器を支えるのが困難でした。
  • ダウンタイムの発生: 内部の分離プレートを整備する際、機械全体を完全にシャットダウンする必要がありました。

2. チタン64(Ti-6Al-4V)の採用と、金属3Dプリント時の技術的ハードル

エクソンモービル社は、より軽量で効果的な素材として「チタン64」を活用することにしました。これまでチタンは「コストが高すぎる」と敬遠されていましたが、Meltioの技術により現実的なコストで製造可能になりました。

しかし、チタンのAM(積層造形)には以下の冶金(やきん)的・熱的制約がありました。

  1. 厳格な不活性雰囲気の必要性: 最適な微細構造を得るため、チャンバー内から酸素をアルゴンガス置換するのに約1.5時間の機械時間が必要。
  2. 熱蓄積によるオーバーヒート: チタンは過熱を防ぐために、最小レイヤー時間:7分という制約があり、単一パーツの製造では待機時間が長くなり非効率。
  3. 酸化と位置ズレ: 初期テストでは、熱蓄積による表面酸化や、ノズルの高速移動によるワークのズレが発生。

3. Meltio M600による戦略的ソリューション

これらの課題に対し、エンジニアチームは最新の金属3Dプリンター「Meltio M600」の機能をフルに活用し、パーツを「3軸プリント」に最適化して再設計(DfAM)しました。

  • 専用治具を製造し、同時3Dプリントによるバッチ生産:
    ステンレス鋼(SS-316Lsi)を用いて、4つのコンポーネントを同時にバッチ生産できる専用治具をAM製造しました。これにより、1層あたりの冷却時間を自然に確保(7分間の制約をクリア)し、表面酸化を完全に排除しました。
  • ノンプレーナー(非平面)プリンティング技術の活用:
    複雑なサポート構造を排除するため、Meltio M600の計測機能を使用。湾曲したサブストレートの最下点をタッチオフし、非平面上に直接ツールパスを積層する実験的アプローチに成功しました。
  • 位置ズレの防止とパラメータ最適化:
    治具の両側に堅牢な機械的クランプを追加し、ワークを完全に固定。レーザー出力とプリント速度を特定領域で細かく制御することで、素材の過剰な盛り上がりを抑制しました。




4. 活用効果

MeltioのLMDプロセスへの移行は、エクソンモービルに決定的な商業的メリットをもたらしました。

  • 42%のコスト削減: 従来手法によるアセンブリ全体のユニットコストが$2,125.00だったのに対し、Meltio LMDでは$1,222.50まで低下。
  • 驚異的な納期短縮(リードタイム90%削減): 従来は4〜6週間かかっていた製造期間が、正確に58.8時間へと大幅に短縮。

造形品(左)と活用イメージ(右)



エクソンモービル社 担当者のコメント:

「従来の機械加工からの脱却は、当社の生産経済を完全に変えました。ユニットコストを42%削減し、リードタイムを6週間から60時間未満に短縮したことは、積層造形が石油・ガス業界に真の経済的価値をもたらす証明です」

日本国内でのMeltioの3Dプリント技術活用・ご相談はMadeHereへ

今回ご紹介したエクソンモービル社の事例は、最先端のワイヤーレーザー金属3Dプリンター「Meltio M600」と、高度なDfAM(3Dプリント向けの設計)ノウハウがあってこそ実現したものです。

株式会社MadeHereでは、Meltio社金属3Dプリンターの日本総代理店で、3Dプリンター販売、および同社のプリンターを活用した受託製造サービスご提供しています。

  • 「自社のプラント部品や製造治具をチタンやステンレスで軽量化・一体化したい」
  • 「切削加工による廃材やコスト、納期を劇的に削減したい」

神奈川・横浜近郊のお客様をはじめ、対面での技術的な打ち合わせや試作開発のご相談も承っております。海外の最先端事例と同等のクオリティを国内で実現したい企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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