金属3Dプリンター

May 25, 2026

【事例】鋳造製造から3Dプリントへ転換:クローズドインペラを金属3Dプリンターで製造、型レスでリードタイムとコストを大幅削減

クローズドインペラの製造を従来の鋳造からMeltio社製金属3Dプリンターへ置き換えた事例を解説。型代ゼロの「型レス製造」で試作・小ロットのコストと納期を劇的に削減。国内での金属AM受託やDfAM相談は横浜のMadeHereへ。

今回は、船舶や産業施設に不可欠な「消火システム」の重要部品あるクローズドインペラの製造事例をご紹介します。従来鋳造+精密後加工で作られていた複雑な回転体を、Meltio社のワイヤーDED方式金属3Dプリント技術の活用によって型レスで一体成形した事例です。

概要

検証テーマ 消火システム用 クローズドインペラ(Closed Impeller)の製造
採用技術・設備 Meltio社ワイヤーレーザー金属3Dプリンター
活用素材 高耐食ステンレス鋼(SS316L)など
従来の課題 試作・小ロット時の高額な鋳造木型コスト、数ヶ月におよぶリードタイム
従来の課題 国内鋳造企業の廃業・減少による調達難、試作時の高額な木型コストと長期納期
導入のメリット
  • 型代完全ゼロ:データから直接造形するためイニシャルコスト撤廃
  • 短納期化:数ヶ月かかっていた調達期間を数日レベルに短縮
  • 高品質:鋳巣(欠陥)のない高密度な組織で高圧環境に対応

Meltio社金属3Dプリンターで製造したインペラ(左)、老朽化した従来製法のインペラ(右)

1. 従来の製造方法「鋳造」が抱える製造課題

消火システムに使用されるクローズドインペラは、流体を効率よく送るために内部構造が複雑な湾曲形状(3次元ブレード)になっています。これを従来の鋳造で作る場合、以下の大きな課題がありました。

  • 高額な初期費用(金型・木型のコスト): 数個〜数十個の小ロット生産や試作であっても、高額な型を製作する必要があり、1個あたりの単価が跳ね上がる。
  • リードタイムの長期化: 型の設計・製作から鋳込み、冷却まで、部品が手元に届くまでに数週間〜数ヶ月の時間を要する。
  • 鋳巣(巣穴)による不良リスク: 鋳造特有の内部欠陥(空洞)が発生しやすく、消火システムのような高い信頼性が求められる高圧環境での検査で不合格になるリスクがある。
  • 国内の鋳造企業の減少と後継者不足: 現在、日本の製造業では人口減少や高齢化、後継者不足により、鋳造企業の廃業・減少が深刻化しています。「昔から頼んでいた鋳造所が潰れてしまい、次の発注先が見つからない」というサプライチェーンの維持危機が、多くの設計・調達部門の現実的なリスクとなっています。 

2. Meltio社金属3Dプリンターによるアプローチと技術的メリット

Meltio社のワイヤーレーザーDED(指向性エネルギー堆積)技術は、溶接ワイヤーをレーザーで溶かしながら精密に積層していくため、インペラのような強度と複雑さを併せ持つ部品の製造に最適です。

  • 完全なる「型レス(木型不要)」の実現:
    3D CADデータから直接金属を積層するため、型が一切不要。設計変更(CfD解析による形状修正など)があっても、データを書き換えるだけでその日のうちに新しい形状をプリントできます。
  • 高密度で均質なメタル組織:
    MeltioのLMD法はレーザーで局所的に完全溶融させるため、従来の鋳造で発生しがちだった「鋳巣」が極めて発生しにくく、鋳造品と同等以上の機械的強度と高い機密性(液体・気体が漏れない性質)を確保できます。
  • 材料歩留まり(イニシャルコスト)の改善:
    大きな金属の塊から削り出すCNC切削に比べ、必要な部分にだけ金属を堆積させるため、材料の廃棄量が激減し、特に高級なステンレスやニッケル合金においてコストメリットが出ます。

3. クローズドインペラ製造における3Dプリントの利点

インペラはシュラウドがあるため、内部のブレードの隙間にノズルが届きにくいという形状的な難しさがあります。Meltioの多軸ロボットアームや5軸制御を組み合わせて活用することで、ノズルの角度を常に最適に保ちながら、サポート構造を最小限に抑えて内部流路を美しく積層します。

積層後は、結合部やシャフトへの取付面など、超精密な寸法が必要な箇所だけをCNCで「仕上げ切削」することで、最終製品としてそのまま使用可能なクローズドインペラが完成します。

仕上げの切削


4. この事例が日本のメンテナンス市場にもたらす変革

この技術は、新製品の開発だけでなく、古い設備の補修部品の復元にも絶大な効果を発揮します。

今日、インフラ設備の保守補選において「20年前に設置された設備部品の一部が壊れたが、予備在庫や当時の鋳造用の型がもう残っていない」「メーカーが廃番で再製造不可」という事態が頻発しています。特に本事例のような複雑な構造部品は製造難易度が高く、今後職人の人口減少による調達難が見込まれています。複雑形状の3D造形を可能にするMeltio社の金属3Dプリント技術はこの課題を切り開く鍵となることでしょう。



鋳造からの置き換え・金属3Dプリント活用のご相談はMadeHereへ

「鋳造による納期遅延や型代の高さに悩んでいる」「鋳造の製造先が廃業してしまい、代替の製造手段を探している」「インペラやプロペラ等の複雑な回転体を金属3Dプリンターで試作・製造したい」という企業様は、ぜひ株式会社MadeHereへご相談ください。

株式会社MadeHereは、Meltio社の日本総代理店であり機器販売のほか、自社でも最先端の金属3Dプリンターを多数保有し「3Dプリント受託製造サービス」も展開しています。

メーカー直系の総代理店だからこそ、Meltioテクノロジーの性能を120%引き出す高い技術ノウハウがあり、神奈川・横浜の拠点をベースに、設計最適化(DfAM)から積層造形、精密後加工まで国内ワンストップで対応いたします。

設備見学も随時受け付けており対面打ち合わせも可能です。海外の最先端事例と同等のクオリティを国内で実現したい企業様は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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【Meltio社金属3Dプリンター製品詳細】

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