3Dプリンター全般

May 29, 2026

金属積層造形の常識を覆す金属3Dプリンターメーカー「Meltio」とは

注目の金属3Dプリンターメーカー「Meltio(メルティオ)」を徹底紹介!独自のワイヤーLMD方式と特許技術で「脱・粉末」の低コストと高安全性を実現。米海軍や大手鉄鋼メーカーも信頼を寄せる、スペイン発の世界的リーディングカンパニーの魅力に迫ります。

株式会社MadeHereが日本総代理店を務める、スペインの金属3DプリンターメーカーMeltio社についてご紹介します。

創業ストーリー:「実用性」への徹底的な執着 

Meltioは2019年、スペインの3Dプリント流通大手「Sicnova」と、米国のテクノロジー企業「Additec」の合弁により、スペインのハエン県リナレスで誕生しました。

「金属3Dプリンティングを誰もが利用しやすく、信頼性が高く、実際の産業製造現場で真に活用できるものにする」という明確なミッションのもと、独自のワイヤレーザー金属堆積技術をゼロから構築。金属3Dプリントの普及を阻んでいた障壁を、2つのイノベーションで解決しました。

Meltio社ファクトリー

1:「脱・粉末」による安全性と低コストの実現

従来の主流である金属粉末方式(PBF方式など)の金属3Dプリンターには、粉末の爆発リスク、オペレーターの健康被害、そして高価な材料コストや厳重な管理設備が必要という高い導入ハードルがありました。Meltioは、市場で広く流通し安価に入手できる「一般的な市販の溶接ワイヤー」をそのまま材料に採用。これにより、大がかりな付帯設備を不要にし、造形の安全化と材料コストの劇的な引き下げに成功しました。

材料となる溶接ワイヤー

2:特許技術「ブルーマルチレーザー」の確立 

複数のブルーレーザー(波長450nm)をワイヤに対して全方位(同軸)から均等に集中させ、溶融・積層する独自の特許プリントヘッドを開発しました。 金属への光吸収率が極めて高いブルーレーザーを採用したことで、エネルギー効率が大幅に向上。従来の赤外線レーザーと比べ、消費電力を削減しながらも、最大3.5倍の圧倒的な造形スピードを実現しました。 これにより、アルミニウムや銅などの高反射金属を含む幅広い材料に対応し、数センチの小型部品からメートル級の大型造形まで柔軟に対応。常に安定した品質を保ち、鋳造品を凌駕し鍛造品に匹敵する高密度な金属部品の造形を可能にしました。

ブルーレーザー

この実用性への執着がMeltioを急成長させ、2026年現在では世界60カ国以上、累計650台以上の導入実績を誇る、ワイヤーDED方式の世界的リーディングカンパニーとなっています。 

世界最大の鉄鋼メーカー「ArcelorMittal」との戦略的提携

Meltioの技術的信頼性を確固たるものにしているのが、世界最大の鉄鋼メーカーであるArcelorMittal(アルセロール・ミッタル)との戦略的提携です。

単なる出資関係にとどまらず、材料科学の巨人である同社と共同で「造形物の金属組織がいかに安定し、優れた機械的性質を持っているか」を科学的に証明しました。この強力なバックアップは、産業界においてMeltioの品質と信頼性を評価する上での極めて重要な指標となっています。

導入実績:防衛、エネルギー

Meltio社の金属3Dプリンターの権威性は、採用産業特有の厳しい運用環境によって裏付けられています。

  • 米国海軍(US Navy)
    強襲揚陸艦「バターン」の艦内にMeltio社の金属3Dプリンターが実戦配備されました。洋上の不安定で過酷な環境下でも、運行に必要なスペアパーツを艦内で完結してオンデマンド造形可能なシステムの耐久性と安全性が、世界最高峰の軍隊によって実証されています。
  • エネルギー分野
    石油・ガスプラントで使用される大型バルブの修理・肉盛溶接(クラッディング)に活用。24時間365日の連続稼働が求められ、部品調達難による設備稼働停止が許されない過酷な民間産業現場での実績を積み重ねています。フォームネクスト2024ではオイル&ガス向けの冷却チャンネル一体型デュアル燃焼室の造形デモを実施し、安全クリティカルインフラに必要な材料密度と機械的特性をW-LMDで達成できることを証明しました。
  • 防衛分野
    スペイン国防省やフランス海軍、韓国軍をはじめ、サプライチェーンの混乱や地政学的リスクに左右されない「自給自足の製造手段」として国防機関での導入が急速に進んでいます。
  • 広範な産業界 自動車パーツの試作から、石油・ガスプラントで使用される大型バルブの修理・肉盛溶接(クラッディング  )など、24時間365日の連続稼働が求められ、部品調達難による設備稼働停止が許されない過酷な民間の産業現場でも幅広く活躍しています。
Meltio社金属3Dプリンターによるエネルギー分野の部品

製品ラインナップ

産業用途としての実用を目的に、既存の生産設備から柔軟にアップグレードできるシステムを展開しています。

Meltio M600: 最新のブルーレーザー技術を搭載して高速・多金属対応を実現した最新のスタンドアロン産業用機。バイメタル(異種金属)品の造形、ニアネットシェイプ造形、金型の製造・補修に最適です。従来の金属3Dプリンターに比べ、機器コスト・運用コストともに極めて安価に導入可能です。

製品ページはこちら >

Meltio Engine CNC統合: 既存のほぼすべてのCNC工作機械を、強力なハイブリッド製造センターに変身させます。

Meltio Engineロボット統合: 大型・複雑な部品の加工、修理、クラッディング、および機能追加を行うためのオープンなプラットフォーム。

MeltioRobot Cell: ロボットによる金属積層造形を、手頃な価格で即座に導入できるターンキー(即利用可能)ソリューション。50cm以上の大型サイズ部品の造形、クラッディング、耐摩耗補修などに最適です。

製品ページはこちら >

第三者機関による主な受賞歴 

Meltioの革新性は、単に「珍しい技術」であることではなく、「実際の製造業にいかに実質的な利益(コスト削減・リードタイム短縮)をもたらしたか」が評価され、世界的な賞を受賞しています。

  • 2023年:スペイン中小企業大賞(SME of the Year)受賞 金属3Dプリンティング技術における革新性と圧倒的なコスト削減実績が評価され、スペイン国王フェリペ6世が主催する式典にて表彰されました。
  • 2024年:Enterprise 3D Printer of the Year 金属3Dプリンター部門 受賞(Meltio M600) 世界の高名な3D Printing Industry Awardsにおいて、現場での使いやすさとエネルギー効率を高めた最新鋭機「M600」が、その年のトップ産業用金属3Dプリンターに選出されました。

これらの賞は、単に「珍しい技術」であることではなく、「実際の製造業にいかに実質的な利益(コスト削減・リードタイム短縮)をもたらしたか」が評価された結果です 。

日本国内での導入・運用サポートは「株式会社MadeHere」にお任せください 

Meltioの金属3Dプリンターは一貫性のある再現性の高い結果が得られるため、材料使用量の最適化、時間とコストの削減、および生産効率全体の向上を実現できます。

株式会社MadeHereはMeltio 社金属3Dプリンターの日本総代理店総代理店として
お客様の導入から運用を支援します。
当社は単なる3Dプリンターの機械販売にとどまらず、自社での3Dプリント受託造形事業も行っているため、現場レベルでの実運用知見が豊富にございます。お客様のケースに合わせた最適な機種選定から運用方法まで一貫してご提案いたします。金属3Dプリンターの導入は当社にお任せください。

お問い合わせはこちら

また、横浜市鶴見の自社工場では実際にMeltio社金属3Dプリンターの実機と造形サンプルをご覧いただける見学会を実施しています。
導入を検討している方はお気軽にご参加ください。

‍工場見学の詳細はこちら

【Meltio社金属3Dプリンター製品詳細】

・造形エリアも速度も大幅アップしたMeltio社の最新金属3Dプリンター「Meltio M600」

・導入後すぐに使える大型金属3Dプリンター「Meltio Robot Cell」

関連ブログ