金属部品の修理で金属3Dプリンターを活用!方法と事例をご紹介
金属3Dプリンター
September 1, 2023
金属3Dプリンターの中でも特に多くの企業から採用されているPBF方式と、DED方式の用途や、どういったメリット、デメリットがあるのか、解説します。

金属3Dプリンターには、主に4つの代表的な造形方式があります。
今回は、金属3Dプリンターの中でも特に多くの企業から採用されているPBF方式と、DED方式の用途や、どういったメリット、デメリットがあるのか、解説します。
※DED方式には、使用する材料が粉末とワイヤーの2種類ありますが、この記事では弊社取り扱いのワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio」を中心に説明します。

PBF方式は、金属3Dプリンターの中でも企業から多く採用されている方式です。
ベースプレート上に金属粉末を敷き詰め、造形する部分に熱源のレーザーやビームを照射し溶融・凝固していくことで、部品や製品を造形します。
複雑な形状を高精度に造形できることから、航空宇宙などで主に使用されています。

DED方式は、金属ワイヤーをレーザーで溶かして、ビルドプレートに部品を積層していく方式です。
造形だけでなく、既存部品の補修や、新たに機能を追加させるためのクラッディング(肉盛り加工)なども可能です。
弊社取り扱いのDED方式金属3Dプリンターのご案内:
複雑な形状やラティス構造を用いた造形を得意としているため、厳しい条件やこれまでの製法では製造できないような形状が求められる、航空宇宙産業にて多く使用されており、実際にジェットエンジンのノズルや、ロケットのエンジン部品が製造されています。

ハウジング部品から、ガスタービン、金型まで様々な用途に対応。
大型部品の造形や補修にも向いていることから、航空宇宙、造船、建築、エネルギー産業などで主に活用されています。

・小~中サイズの複雑な形状や微細な形状を高精度に造形
・ラティス構造※1を用いた造形が可能
・優れた表面仕上げを提供
・多くのメーカーが開発しているため、購入時に選択肢が多い
※1: 幾何学形状が規則的もしくは不規則的に並ぶことで造形物を構成する構造
・造形時間が速い
・材料費が安い
・高密度(99.998%)な造形を実現
・既存部品や製品の補修、クラッディングが可能
・材料が金属ワイヤーなため、取り扱いが容易
・ニアネットシェイプ成形で納期短縮が可能
・材料をほぼ使用できるため、歩留まりが良い
・異種金属接合ができる
・金属粉末による粉塵爆発などの危険性がある
・初期費用にお金がかかる
・造形時間が長い
・材料費が高い
・コンタミネーションの予防や洗浄が困難
・表面が粗い
・造形できる形状が限られる
上記をまとめると、PBF方式は複雑な形状を高精度で造形できる一方で「材料費が高い」「造形時間が長い」「材料の取り扱いに注意しないといけない」「高密度の造形が難しい」「メンテナンスが大変」といったデメリットがあります。
しかし、DED方式は、表面が粗いといった点や、造形できる形状に限りがあるといったデメリットを除けば、材料費を大幅におさえることができ、造形時間もはるかに速いためリードタイムの短縮が可能です。
例として、直径5cmのキューブを造形するのに、PBF方式金属3Dプリンターでは12時間かかりましたが、DED方式金属3Dプリンターでは、たったの1.5時間で造形ができました。
「速いと品質は落ちているんじゃないか?」と思う方もいるかもしれませんが、高密度(99.998%)での造形が可能なため、品質は落ちません。

その他にも、PBF方式と比較すると、DED方式は既存部品や製品の補修、クラッディングができたり、異種金属接合が可能であったりと、多くのメリットがあることがわかりました。
本記事では、 PBF方式とDED方式の金属3Dプリンターの基礎知識から、特徴の違い、メリットとデメリットまで幅広くご紹介しました。
両方式の金属3Dプリンターは、金属による製造から修理まで幅広い用途や業界で注目されている技術です。
金属3Dプリンターは、目的に合った造形方式や機種・材料の選定、適切な設計が大切なポイントとなります。
弊社は各種造形方式の金属3Dプリンターの販売や受託造形サービスを行っています。
3Dプリントのことは、エンジニアリング力に強みを持つ3Dプリンター専門会社の弊社にお任せください。
金属3Dプリンターの活用を検討中の方はぜひ弊社までご相談ください。
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