3devo Filament Maker ONE & TWO|卓上型フィラメント製造機

フィラメント製造から材料開発・リサイクルまで、卓上で完結できるフィラメント製造機

3devo社のFilament Maker ONEとFilament Maker TWOは、樹脂ペレットやリサイクル素材から高品質な3Dプリンター用フィラメントを製造できる卓上型フィラメント製造機です。最大450℃まで対応し、PLAやABSなどの一般樹脂からPEEKのような高耐熱材料まで幅広く加工可能。材料に応じて温度を細かく制御し、再生材や複合材でも安定した押出成形を実現します。直感的に操作できるタッチパネルと、フィラメント径の自動調整機能を備え、誰でも簡単に一定品質のフィラメントづくりが可能です。

材料開発やリサイクル活用、試作用途に最適なこのシリーズは、コンパクトで扱いやすい「ONE」と、より高出力・高精度な製造を実現する「TWO」からお選びいただけます。

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特徴

材料開発とリサイクルに最適

廃プラスチックのリサイクルや新しい材料の開発に対応しており、持続可能な生産方法を実現します。

高温対応で幅広い素材に対応

最大450°Cの高温に対応し、熱可塑性樹脂からエラストマーまで、多彩な材料を高精度で処理可能です。

正確なフィラメント径管理

光センサーによって、0.05mmの精度でフィラメント径を自動的に調整。高品質な出力が得られます。

直感的で簡単な操作

Filament Maker ONEは簡単な設定で運用でき、Filament Maker TWOはタッチスクリーン操作でさらに使いやすさを提供します。

コンパクト設計で省スペース

研究室や小規模なワークスペースでも、コンパクトな設計で効率的に運用できます。

安全性とメンテナンス性

安全な設計が施されており、簡単にメンテナンスが行えるため、ダウンタイムを最小限に抑えます。

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技術

Filament Maker ONE の主な機能

直感的なコントロールパネル

簡単操作

OLEDディスプレイと回転プッシュ式ボタンにより、誰でも簡単に操作できます。

すぐに使用可能

PLA、ABS、PA12、PC、PEEK、PSなどの標準素材はプリセットで対応しており、すぐに作業を始められます。

操作方法の選択

フィラメントの押出しを自動で開始するか、手動で操作するかを選択でき、使用スタイルに合わせて柔軟に設定できます。

安定した押出を支える主要構造

高耐久スクリュー

窒化処理を施したスチール製スクリューを採用し、高粘度樹脂や複雑な材料の混合にも安定して対応します。

材料ブレンド機能

繊維や添加剤などを均一に混合できる構造で、カスタムフィラメントの開発をサポートします。

ゾーン別の温度調整

4つの加熱ゾーンごとに温度を細かく制御でき、材料に最適な条件での押出しが可能です。

材料残量センサー

ホッパー内の材料量を光学センサーで常時監視し、材料切れを防いで連続稼働をサポートします。

造形品質を高める押出設計

垂直押出し方式

フィラメントの真円度を高め、造形品質の向上に貢献します。

最新の冷却・巻き取りシステム

2つのファンによる均一冷却と、位置調整が可能な巻き取り装置により、安定したフィラメント製造が可能です。

高度な光学センサーと引き取り装置

高精度な径測定

光学センサーがフィラメント径を43ミクロン単位で正確に測定します。

自動調整式引き取りシステム

温度条件に応じて巻き取り速度を自動で調整し、さまざまな素材に対応します。また、異なる温度帯に最適な交換式ホイールを搭載しており、より安定した巻き取りを実現します。

Filament Maker TWO の主な機能

Filament Maker TWOは、長いスクリューと改良型ホッパー、高出力モーター、精密な加熱システムを組み合わせることで、材料の安定供給と均一な加熱を実現。さらに、ビジョンベースセンサーや高精度な温度センサーにより、フィラメントの形状と径をリアルタイムで監視し、常に高品質なフィラメント製造を可能にします。

安定した押出しを支える4つの技術

高出力モーター

力強く安定した押出しを実現します。

最適化された加熱システム

均一な温度管理によりフィラメント品質を安定させます。

高圧縮比のスクリューデザイン

優れた混練性能を発揮します。

最適化されたLD比(長さ/直径比)

高精度なフィラメント製造をサポートします。

簡単操作で幅広いスプールに対応

スプールの取り付けが簡単

画期的なスプールチャックにより、迅速に取り付けが可能です。

自動テンション調整機能

新しいテンションアームが巻き取り張力を自動で調整し、均一なスプールを簡単に作成できます。

幅広いスプールサイズ対応

最大3kgまで対応可能で、生産性と柔軟性を高めます。

スプール設定のカスタマイズ

スプール径や幅を本体から設定できるため、理想的な巻き上がりが得られます。

最新のフィラメント品質管理システム

解像度10μmのビジョンベースセンサー

フィラメント径の微細な変動をリアルタイムで検出します。

3軸からの測定で楕円率を正確に把握

楕円率を正確に把握し、真円度を維持します。

リアルタイム映像によるモニタリング機能

視覚的にも安心できる品質管理が可能です。

光ノイズを抑える最新光学設計

外部環境光の影響を抑え、安定した測定を実現します。

メンテナンスが簡単

工具なしでカバーや部品の取り外しができ、分解や組み立てが迅速に行えます。消耗品の交換やサポート体制も整っており、メンテナンスが簡単です。

直感的に操作できる画面

タッチスクリーンで設定や状態確認が簡単に行えます。分かりやすいインターフェースで、誰でも直感的に操作でき、スムーズに使える設計です。

調整可能な引き取り装置

素材に合わせてテンションを調整でき、柔らかいものから硬いものまで、安定した巻き取りが可能。高品質なフィラメントの仕上がりを実現します。

ソフトウェア「DevoVision」と「InfluxDB」

Filament Maker ONEには、フィラメントの温度や径をリアルタイムで監視・自動調整する専用ソフトウェア「DevoVision」(デヴォヴィジョン)が搭載されています。

一方、Filament Maker TWOには、押出中のデータを可視化・分析する「InfluxDB」(インフラックスディービー)が搭載されており、それぞれ製造の安定化とデータ活用に特化した機能を提供します。

これらのツールにより、製造中のデータをもとに意思決定が可能となり、フィラメントの品質向上や不良品削減、製造効率の改善が実現します。

フィラメント製造の流れ

1. プラスチックを粉砕

使用済みの3Dプリント品や廃材を、GP20などの粉砕機で小さなペレット状にします。

2. フィラメントを製造

粉砕したペレットをFilament Maker ONEまたはTWOに投入。フィラメント製造を開始。

3. 3Dプリントに再利用

できあがったフィラメントを3Dプリンターにセットし、再利用材から新たな造形が可能に。

3devo GP20 | 破砕造粒機

破砕機と造粒機を一体化した破砕造粒機。PET、HDPE、PVCなど多様な熱可塑性プラスチックを処理可能。細かい設定が可能で、リサイクルや材料開発に最適な装置です。

製品詳細 

工場見学開催中!

横浜本社工場にて随時無料見学を開催しています。
機器の導入に興味のある方はお気軽にご参加ください。

機器導入は3DPCにお任せください

機器に関するご質問のほか、ご希望の用途や素材に最適な機器を実際の運用を見据えた形でご提案します。

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仕様

Filament Maker ONEFilament Maker TWO
本体サイズ216 x 506 x 448 mm258 x 606 x 526 mm
重量22.6 kg34 kg
対応素材PLA、ABS、PS、PC、PETG、TPU、TPE、PPS、PVA、および各種PA対応、PEEK、PEKK、PAEK、PEI、PSU、PES などPLA、ABS、PS、PC、PETG、TPU、TPE、PPS、PVA、バイオPE、NEW PET、PA(6、12、66)、PEEK、PEKK、PAEK、PEI、PSU、PES、PE、PP、HIPS、LDPE、POM、PAHT、ASA、PSU、PA、PHB、PPS など
最大作動温度450℃450℃
加熱ゾーン数44
操作パネル回転ボタン7インチタッチスクリーン
USB接続
遠隔操作-
ネットワーク接続-
センサー1軸3軸
回転数2 - 15 RPM0 - 15 RPM
回転安定機能-
冷却機能-
温度監視機能-
自動データ記録機能-
簡単に取り外せる部品構造-
ノズル交換可能交換可能
ダイヘッド-交換可能
フィラメント直径0.5 - 3 mm0 - 4 mm
スプールサイズ小~中型まで小~大型まで対応
ホッパー構造固定調整、切り替え可能
光学センサー精度43 ミクロン10 ミクロン
ステッピングモーター-
効率的な冷却システムの設計-
平均消費量300 - 400 W400 - 800 W
最大消費量1300 W1400 W
電源110 - 230 V、50〜60Hz110 - 230 V、50 - 60Hz

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材料選びの重要性と「樹脂のピラミッド」

3Dプリントの性能やコストは、材料選びによって大きく変わります。例えば、コストを抑えたい場合は汎用プラスチック強度や耐久性が必要な場合はエンジニアリングプラスチック高温や薬品など過酷な環境にはスーパーエンプラが適しています。

このように「樹脂のピラミッド」を活用することで、目的に合った材料を選びやすくなり、性能とコストのバランスを最適化できます。さらに、3devo社のFilament MakerGP20を使えば、市販フィラメントに頼らず、自分に合った素材でオリジナルフィラメントを製造することも可能です。

樹脂のピラミッド

樹脂は、その性能や用途に応じて3つの層に分類されています。強度、耐熱性、耐薬品性、コストなどを基準に整理されており、プロジェクトに最適な素材選びをサポートします。

汎用プラスチック

低コストで広く使用される一般的な素材で、日常的な製品やプロトタイプに適しています。(例:PLA、ABS、PS、PP、PE、PET、HDPE、PETG)

エンジニアリングプラスチック

強度や耐熱性が求められる製品に使用され、機械的性能や耐衝撃性が必要な場合に最適です。(例:PA6、PC、POM、TPE、TPU、ASA)

スーパーエンプラ

高耐熱性、高耐衝撃性、高耐薬品性を持ち、厳しい環境下での使用が求められる特殊な用途に適しています。(例:PEEK、PI、PA12、PPS、PEI、PSU、PAEK、PVDF、PES)

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活用事例

コーヒーかすとPLA、廃棄物から生まれたカスタムフィラメント

独自の研究を行っている開発者は、コーヒーかすとPLAを混ぜたバイオコンポジット材料を3Dプリント用に開発しました。この新しい材料は、コーヒーの廃棄物を活用し、サステナブルなフィラメントとして使用可能です。実際に製造したフィラメントは、一般的な3Dプリンターで使用できるように調整され、造形中には特有の香りを放つことが確認されています。

このフィラメントは、環境負荷を低減しながら、機械的特性の調整が可能で、将来的にはエコフレンドリーな製品開発に活用されることが期待されています。

通信

NTTドコモ |「15%しか守れないスマホケース」

株式会社NTTドコモは、海洋環境問題の現状に関心を持ってもらうため、沖縄の海岸に打ち上げられたペットボトルを回収し、マテリアルリサイクルを行いました。

リサイクルした材料をフィラメントにして、「15%しか守れないスマホケース」を制作しました。この取り組みのテーマは、海に流れ出ている漂着ごみのうち、回収できたゴミの割合が「15%」という現状を伝えることです。ドコモはこのスマホケースを販売する予定はなく、展示を通して来訪者に海洋プラスチックゴミ問題への関心を促しました

自動車

Audi | A7・A6モデルにリサイクル部品を実装

Audiは、環境に配慮した製造を実現するため、3devo社のシュレッダー「Shr3d It」、ポリマー乾燥機「AIRID」、フィラメント製造機「Precision 450」(現在はFilament Maker ONE)を導入しました。

これにより、製造現場で発生する余剰プラスチックを効率的に再利用することができています。Audiは、廃プラスチックをシュレッダーで処理し、AIRIDで乾燥後、Precision 450でフィラメントを製造。これにより、リサイクルプラスチックを部品やツールとして活用し、製造コストの削減にも成功しています。さらに、A7やA6モデルにはリサイクルプラスチックを使用した部品が実際に搭載されています。

医療

高価素材を最大限に活かす、Lattice Medicalの材料戦略

Lattice Medicalは、乳がん治療後の再建手術を支援する革新的なインプラント技術「Mattise」を開発しました。この技術では、生分解性インプラントを使用し、患者の自然な回復を促します。しかし、研究開発には高価な特殊材料が必要であり、少量を無駄なく活用することが求められていました

そこで同社は、Filament Maker ONEを導入。これにより、少量の高価な材料からでも精密なカスタムフィラメントの製造が可能となり、研究開発のスピードが加速外部供給への依存も減り、コスト効率の高い開発体制が実現しました。

航空宇宙

PCM含有量3倍へ|航空研究を支える次世代のフィラメント製造機

Embry-Riddle Aeronautical Universityでは、相変化材料(PCM)とHDPEやPLAなどのプラスチックを組み合わせた、3Dプリント可能な熱伝導システム(ヒートシンク)の開発に取り組んでいます。この研究には高品質かつ高比率のPCMフィラメントが必要でしたが、従来の装置ではPCM比率20%が限界であり、新たなソリューションが求められていました。

そこで導入されたのがFilament Maker ONE。この機器により、研究者たちはPCM比率60%のフィラメント製造に成功。従来の3倍のPCM含有率を実現し、複数の材料特性に最適化されたフィラメントを作り出すことが可能になりました。温度、回転速度、ファン設定などを細かく調整できるFilament Maker ONEの柔軟性により、非典型的な素材でも精密なフィラメント化が可能となり、同大学の材料研究は大きく前進しています。

製造業

MJF廃材を再資源化|AZ3Dが挑んだ持続可能なフィラメント製造

アリゾナ州ツーソンを拠点とする試作開発企業AZ3Dは、環境負荷の高いMJF(Multi Jet Fusion)材料の再利用に取り組んでいました。従来は再利用が困難とされていたMJF廃材を有効活用するため、新たな製造手段が必要とされていました。

そこでAZ3DはFilament Maker ONEを導入。これにより、使用済みのMJF粉末から高精度な3Dプリント用フィラメントを製造することに成功しました。現在では、1日あたり最大2スプールのフィラメントを自社製造する体制を構築し、素材廃棄量を大幅に削減しています。さらに、温度やスクリュー速度などの設定を柔軟に調整できるため、MJF以外の異なる素材にも対応可能です。これにより、環境負荷削減と製造効率向上の両立が実現しました。

宇宙開発

ESA | 宇宙探査に向けたフィラメント製造を内製化

ESA(欧州宇宙機関)は、月面探査など将来の宇宙飛行に向けた材料研究の一環として、3devo社のフィラメント製造機「Composer 450」(現在はFilament Maker ONE)を導入しました。

2〜5kg程度の少量材料からでも社内でカスタムフィラメントを製造できるようになり、限られた資源の中で効率的に試作と検証を進めています。ESAのSpaceship EACチームでは、従来は外部に委託していた特殊フィラメントの開発を、Composer 450により内製化。これにより、非標準的な素材や複合材料の試作にも柔軟に対応できるようになりました。現在はPLAベースのフィラメント開発に加え、エンジニアリングプラスチックを用いた応用テストも進行中です。

教育機関

教育現場で活きるフィラメント製造 | Fontys大学の実践例

Fontys大学では、Filament Maker ONEを導入することで、効率的でコスト効果の高いフィラメント製造が実現しました。高価な産業機器に依存することなく、学生たちは少量の材料でポリマー素材の開発やリサイクル研究を行い、無駄な材料やリソースの削減に貢献しています。

Filament Maker ONEを活用することで、学生たちはPLAやPETなどのリサイクル可能なポリマーの特性を深く研究し、環境に優しい方法で研究を進めています。このアプローチにより、20名以上の学生がさまざまなプロジェクトで成果を上げ、研究のスピードが向上しました。また、学生たちは短期間で新しい素材の扱いに慣れ、実践的な知識を身につけています。

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