Sinterit社の3Dプリンター「SUZY」と「Lisa X」は、コンパクトながら高精度で高速な粉末造形を実現します。SUZYは、最小0.075 mmの積層ピッチを誇り、細かな形状や複雑なデザインを忠実に再現。PA12専用に最適化されており、精密部品やプロトタイプ製造に最適です。Lisa Xは、設定変更の柔軟性が高く、他社製素材にも対応でき、さまざまなニーズに応じた高速かつ高品質な造形を実現します。
初心者や小規模プロジェクトにはSUZY、柔軟性と生産スピードを重視するビジネスや高度な用途にはLisa Xが最適です。
高い精度での3Dプリントが可能で、精密な部品や複雑な形状も忠実に再現できます。特に精度が求められるプロジェクトに最適です。
SUZY(最大20 mm/h)とLisa X(最大14 mm/h)は、どちらも業界水準に匹敵する高速造形が可能です。これにより、試作や小ロット生産の時間を大幅に短縮します。
サポートなしで設計通りの形状を高速かつ高品質に造形。サポート構造が不要なため、後処理の手間が軽減されます。
省スペースで設計されており、狭い作業環境でも導入可能。限られた空間でも高性能な3Dプリントが提供できます。
産業用の精度とスピードを持ちながら、試作から少量生産に最適なコストパフォーマンスを実現。優れた価格対効果を提供します。
Lisa Xは、他社製材料の使用や独自材料の開発が可能で、ニーズに合わせた柔軟な3Dプリントが実現できます。※SUZYは現状PA12のみ対応
SUZYとLisa Xのオープンパラメーターでは、4つの加熱ゾーンを個別に調整できるため、より細かい温度管理が可能です。
3Dプリントの準備段階を簡単かつ迅速に進められるよう、明確なステップで案内します。
数クリックでモデルをまとめて配置でき、準備の手間を大幅に省けます。
32の造形パラメーターで、標準素材やカスタム素材のプロファイルを自在に調整可能です。
Sinterit社の3Dプリンターでは、未焼結の粉末材料を最大95%まで再利用でき、コスト効率を大幅に向上させます。Sinteritでは、再利用粉末に対して必要な新品粉末の最小追加量を「リフレッシュ率(Refresh Rate)」と呼びます。これは粉末の劣化を抑え、安定した造形品質を維持するための重要な指標です。
Sinterit Studioでは、次回造形に必要な新品粉末の量を自動的に計算し、ユーザーはその指示に従って粉末を追加するだけで済みます。この仕組みにより、材料費の削減だけでなく、廃棄物の削減も実現し、持続可能な運用がサポートされます。
非常に優れた寸法精度を持つ高耐性ナイロン12で、機能的なプロトタイピング、治具・フィクスチャ、最終部品に最適です。生体適合性を備え、優れた機械的特性と高い化学的耐性を有しており、幅広い用途に対応します。
優れた表面解像度を持つコストパフォーマンスに優れたナイロン12素材で、精密な形状や一般的なプロトタイプに最適です。高い化学的耐性も備えており、複雑な形状や機能的部品の製造に対応します。
高い剛性と精密な形状再現性を備えたコストパフォーマンスに優れた材料です。主に製品の外観を確認する視覚的なプロトタイピングに最適で、高い化学耐性を持っています。また、無駄な粉末を出さず、持続可能な製造が可能です。
バイオ由来のナイロン素材で、優れた機械的特性と耐衝撃性を持ち、過酷な環境下で使用される部品に最適です。高い延性と寸法安定性を兼ね備えており、最終部品などの製造に対応します。
強度と汎用性に優れたカーボンファイバーを含むナイロン素材です。高い引張強度、耐衝撃性、耐熱性を備えており、過酷な条件下での使用に最適です。自動車部品や医療機器など多様な分野で活躍します。
バイオ由来のナイロン素材で、優れた熱耐性と静電気対策(ESD)機能を備えています。電子機器や自動車産業向けの静電気安全部品に最適で、寸法安定性を保ちながら高精度な部品の製造が可能です。
優れた機械的特性を持つ素材で、化学耐性、溶接性、延性を活かした機能部品やプロトタイピングに最適です。自動車産業や実験室で使用されるタンクや配管、ホルダーなどの部品に適しており、低ストレス部品の少量生産にも対応します。
高強度と柔軟性を兼ね備えたTPU素材で、ガスケットやジョイントカバー、振動ダンパーなど、柔軟素材の強度が求められる用途に最適です。引裂き抵抗や曲げ耐性が高く、化学的耐性も備えています。シューズのソール、車両部品などに広く使用されます。
SUZY | Lisa X | |
造形エリア | 130 x 180 x 330 mm | 130 x 180 x 330 mm |
造形速度 | 最大 20 mm/h | 最大 14 mm/h |
積層ピッチ | 0.075 mm | 0.075 – 0.175 mm |
レーザー出力 | 30W(IR, 976 nm) | 30W(IR, 976 nm) |
レーザー波長 | 976 ± 3 [nm] | 976 ± 3 [nm] |
ソフトウェア | Sinterit Studio | Sinterit Studio |
消費電力 | 0.85 kW - 1.65 kW | 0.85 kW - 1.65 kW |
電源 | 230 V AC、50/60 Hz | 230 V AC、50/60 Hz |
本体サイズ | 650 x 610 x 1200 mm | 650 x 610 x 1200 mm |
本体重量 | 150 kg | 145 kg |
教育機関
ワルシャワ工科大学 | SAE Aero Design競技での優れた成果
ワルシャワ工科大学の学生チームは、Sinterit社のLisa Xを活用し、SAE Aero Design競技において顕著な成果を上げました。競技の目的は、無人航空機を設計・製造し、最大荷重を持ち上げることです。チームは、SLS技術を用いて精密で軽量な部品を製造し、複雑な形状を実現。
特に、尾部の取り付け部品は高い強度と耐久性が求められ、SLS技術によって設計の自由度と性能が大きく向上しました。競技結果として、ワルシャワ工科大学は「Czapla」機でAero Design Eastにおいて4位を獲得し、Aero Design Westでは「Czajka」機が3位を達成。また、Microクラスでは見事に優勝を果たしました。
製造業
BNP | Lisa Xで実現した生産性と強度の向上
BNP社は、25年以上にわたり作業員の健康と安全を重視したエルゴノミクス製品を設計・製造しているイタリアの企業です。これまではFDM技術を使用していましたが、さらに高い精度と強度を求めて、Sinterit社のLisa Xを活用することを決定。
Lisa Xの導入により、部品表面の滑らかさと機械的強度が飛躍的に向上し、従来のFDM技術では得られなかった精密で耐久性のある部品が製造可能になりました。特に、BNP社のツールホルスターの重要な構成部品では、PA12 IndustrialやPA11 CFといった強度の高い材料を使用し、軽量化と強度向上を同時に実現しました。また、Sinterit社の後処理装置である「Powder Handling Station」や「Sandblaster」を活用することで、製造後の後処理が大幅に効率化され、全体の生産性が向上しました。
航空
Jetson | 軽量かつ高精度な部品製造を実現
Jetson社は、個人用航空機「Jetson One」の開発を進め、飛行機をもっと身近な存在にし、誰でも簡単に空を飛べるようにすることを目指しています。同社はLisa Xを活用し、部品の強度と精度が向上し、軽量化を実現。従来の製造方法に比べて部品の製造効率を大幅に向上させています。
また、Jetson Oneの飛行時間の延長や操縦のしやすさが改善され、パフォーマンスの向上に繋がっています。さらに、Jetson社はプロトタイピングだけでなく、最終部品の製造にもLisa Xを活用しています。特に、ユニークな部品や少量生産が求められる部品について、Lisa Xは迅速かつコスト効果の高い製造方法を提供しています。これにより、従来の金型や鋳造に頼ることなく、短期間で部品を製造できるようになりました。
産業機械
Somfy | 従来製法に比べコストを最大で100倍以上削減
Somfy社は、住宅や建物の自動ドア・窓制御技術で広く知られる企業です。これまでは外部サプライヤーにプロトタイピングを依頼していましたが、現在はLisa XとLisa Proを使用して社内で3Dプリンティングを行い、部品の精度と設計の自由度の向上を実現しています。
この技術により、従来のCNC加工に比べ、部品製造のコストを最大で100倍以上削減することができました。特に、Lisa Xを活用することで、サポート構造が不要となり、複雑な内蔵部品や滑らかな表面を持つ部品の製造が容易になります。さらに、Somfy社は試作から最終製品の製造、さらにはエンドユーザー向けの交換部品の生産まで、幅広く3Dプリンティング技術を活用しています。Lisa Xを使用することで、生産性が向上し、より短期間で高品質な部品の製造が可能になり、Somfy社はより迅速かつコスト効率良く新しい製品の開発を進めています。
3Dプリンターやその他機器をスムーズに使用開始するために必要な技術や知識が身に付く、専門スタッフによるトレーニングをご用意しています。導入したいけれど、自分たちだけでは運用できないかもしれない」「初めての3Dプリンターで、扱える人材がいない」「3Dプリンター用のソフトウェアの使い方が分からない」などの不安を解消!
新時代のものづくりに触れる良い機会でした。
今後も3Dプリンターには関心をおきながら、当社の新製品や要素技術の強化につなげていきたい。