特許取得済みのLCDスクリーンを光源とした技術を使用することで、広いエリアを高解像度で均一に照射し材料を硬化させることができるため、より大きく、より速く、高精度な造形を実現。これにより、3Dプリンティングでの大量生産を可能にしました。さらに造形後、完成品を破損させることなくバットから簡単に取り外すことができる「ブローピール技術」を搭載。特許を取得しています。
造形エリアが広いため、大型サイズの造形や大量生産に最適。 専用の後処理装置には、ビルドプレートがそのまま入ります。
SLA方式に比べて造形速度が速く、1時間あたり、16 mm ~ 18 mmの高さで造形が可能なため、高い生産性が期待できます。
安価な樹脂と少ない消耗品交換で費用を最小限に抑えます。 従来の射出成型と比較しても、価格面は非常に優れています。
専用の樹脂クリーナーは、IPAに比べてより高い性能を出すことができ、また不燃性のためより安全で快適に使用できます。
紫外線を、ビームのように線ではなく、プロジェクターを使い面で照射する造形方式で、最大の特長は造形スピードです。トレイにUVレジンを入れ、その下からプロジェクターを使用してレーザーを面で照射し、プラットフォームに1層ずつ積層して造形します。硬化が完了するとプラットフォームに吊り下げられる形で造形物が作られます。吊り下げられて作られるためサポート材が必要になります。スライスデータにのっとって面で一気に硬化できることで、造形スピードが速くなります。また面で硬化するため、1個の造形物を硬化する場合も、複数の造形物を一度に硬化する場合も、同じ造形時間になります。Photocentricの3Dプリンターは光源として一連のLEDを使用しており、ほぼ平行にされた光をLCDパネルを通して照射します。面の全体が同時に露光されるため、非常に効率的です。
LC Magnaは、小型から大型サイズの部品や製品、最終部品を高精度に造形します。1時間あたり、最大で高さ16mmの造形を可能にするほど造形速度が速く、試作・大量生産・最終部品の製造に最適な3Dプリンターです。
テクニカルデータシート造形サイズ
本体サイズ
重量
造形速度
積層ピッチ
光源波長
電源
最大消費電力
ソフトウェア
510 × 280 × 350 mm
850 × 650 × 950 mm
100 kg
16 mm / h
25 - 350 µm
460 nm
100 - 240 VAC, 50/60 Hz
1.3 kW
Photocentric Studio
ブローピール技術とは、LC Magnaに採用されている特許技術です。
光造形方式3Dプリンターの問題は、造形物がベッドだけでなく、材料を入れているバットにもくっついてしまい、造形が失敗してしまうことです。次の硬化サイクルに備えて、新しい樹脂を入れるためには、造形物を持ち上げてバットの底面から離す必要があります。
スクリーンプレート
バットフィルム
バットフィルムの真下にあるスクリーンプレートの隅に4つの穴が開いており、スクリーンプレートの真下には空気を発生させることができるエアポンプがあります。造形物が持ち上がる直前、エアポンプがスクリーンプレートの下から空気を送りこみます。スクリーンプレートならびにバットフィルムが浮き上がることで、造形物をよりきれいに引き離すことができます。
ー横から見た様子ー
1)プリント層の材料が硬化する
2) エアポンプでバットの下に空気を送り込み、バットフィルムと液晶を分離させる。
3)バットフィルムとスクリーンの間のポケットから空気を抜き、次の層の準備をする。
CADファイルがあればずぐに準備が整います。
準備や設定はとてもシンプル
専用の装置で、印刷後の余分な樹脂を取り除きます。
二次硬化した部品は、すぐに使用できます。
専用ソフトウェア「Photocentric Studio」で、造形データを作成します。非常に多くのCADフォーマットに対応しており、効率的な生産を手助けする多くの機能を搭載しています。
自動バッチ処理により、プラットフォームを最大限に活用することができます。また、3Dモデルの向き、移動、スケーリング、コピー、ミラーリングを自動および手動で行うことが可能です。
最適化された自動サポート生成アルゴリズムを提供し、ソフトウェアの準備時間を最小化します。超高速マルチプロセッシングによる自動化機能です。また、樹脂の種類や部品の形状に応じて、あらかじめ設定されたサポートプロファイルを搭載しています。
自動解析ツールにより、サポート構造が必要な箇所を特定します。また、大容量の造形物に対応するため、マルチプラットフォームを備えています。
樹脂の使用量を減らすために、ドレインホール、くぼみ、インフィルなどのモデルを最適化することができます。成功率の向上、材料の節約、軽量化が可能になります。
Photocentricの3Dプリンターには、洗浄装置と硬化装置がセットになっています。洗浄装置で余分な樹脂を効率よく除去し、硬化装置で造形物を強化することで、より高い品質を実現します。
大量生産用に設計。空気撹拌システムと、樹脂クリーナーを使用することで、効果的に洗浄することができます。
内積量
90 L
本体サイズ
990.5 × 400 ×620 mm
重量
56 kg
ビルドプレートを、光と熱の両方で効果的に硬化させることができます。
内積量
550 × 350 × 500 mm
本体サイズ
700 × 600 × 700 mm
温度
0-16℃
Photocentric の樹脂クリーナーは、Photocentricの機器で造形した部品を最適に洗浄できるように開発されています。
専用の樹脂クリーナーを使用した部品は、複雑な形状や手の届かない隙間もきれいに洗浄することができ、IPAでの洗浄に比べて表面を非常にきれいに仕上げることが可能です。また危険物に該当せず、交換の頻度も少ないため扱いやすいです。
樹脂クリーナー
左)IPA洗浄 右)樹脂クリーナー洗浄
LC Magnaのために特別に開発された、優れた高性能樹脂シリーズです。スクリーンにダメージを与えず、エネルギー使用量も少なく安全です。また、3Dプリントの信頼性も高く、より均一な硬化を実現します。波長が長いため、濃い色や粒子が多い配合の場合により効果的です。
ガラス繊維でできたナイロン6の強度と剛性を再現し、曲げたり変形したりすることなく、最高230℃の温度まで対応します。
主な用途:
・高温流体およびガスマニホールド
・金型とインサート
高い剛性と延性を兼ね備えた、高温にも耐える金型用途向けの硬質樹脂です。
主な用途:
・高温流体およびガスマニホールド
・金型とインサート
・耐熱ハウジングおよび治具
植物由来原料が50%。大幅にCO2排出量を削減する高性能硬質樹脂です。
主な用途:
・ラピッドプロトタイピング
・精密部品
・アライナー製造用の歯科模型
高い衝撃強度を持ち、非常に丈夫で長持ちする機能部品を造形します。
主な用途:
・たわみを最小限にする必要がある治具やフィクスチャ
・カバープレートとエンクロージャー
・留め具、ツール、カップリング
衝撃、圧縮、曲げ、応力疲労に対応し、破損や変形を起こさない、柔軟性の高い樹脂です。
主な用途:
・高温下でのたわみを最小限にする必要がある治具やフィクスチャ
・カバープレートとエンクロージャー
・留め具、ツール、カップリング
・強度と剛性に優れた試作
高エネルギーリターン、高伸度、引裂強度の組み合わせを必要とする用途に最適化されています。
主な用途:
・ミッドソール
・自転車のサドル、グリップ、ハンドル
衝撃吸収性、高い伸度、効率的なエネルギー減衰性、優れた引裂強度と非常に低い吸水性の組み合わせを必要とする用途に最適化されています。
主な用途:
・スポーツ用品
・スマートフォンケース
化学チームの知識と3Dプリンター製造の経験からつくられた、最高の性能を発揮する樹脂です。
滑らかで光沢のある表面仕上げで、収縮を最小限に抑えたクリアで丈夫な部品に最適です。
主な用途:
・クリスタルクリアパーツ
・高精度かつ低収縮
・強くて耐久性がある製品
植物由来原料が50%。大幅にCO2排出量を削減する高性能硬質樹脂です。
主な用途:
・ラピッドプロトタイピング
・精密部品
・アライナー製造用の歯科模型
低コストで高精度な造形を実現。低刺激性で低臭気であるため、造形と後処理がより安全で容易になり、造形された部品は従来の硬質プラスチック同等の精度と強度をもちます。
主な用途:
・正確なモデル
・ラピッドプロトタイピング
・最終部品
イタリアの靴メーカーのGrisport社は、射出成形の技術を使用し、靴型を製作していました。しかし、より早く新製品を市場に流通させたいという課題を抱えていました。
そこで、Photocentricの光造形方式3Dプリンター「LC Magna」を導入し、同社の新材料「HighTemp DL401」を採用した靴型を製造することで、流通の迅速化とコストの削減を実現しました。HighTemp DL401はアルミ金型と同等の高温でも、安定した温度を保っており、これまでと同じプラスチック素材を用いた溶融プラスチックの射出成形を可能にします。LC Magna の 510 x 280 x 380 mmという広い造形エリアは、フルサイズの靴型を造形でき、またその造形速度は、従来の金型製作が4週間必要だったのに対し約14時間まで短縮。金型と同等の精度を保ったまま、これまでのおよそ50倍の速さになります。また靴型のランニングコストは、従来の約80万円から約4万円まで大幅に削減されました。
繁忙期には毎日A3シートで2,000枚以上、オリジナルサイズで16,000個の家庭用スタンプ作成キットを製造している自動製造システムがダウンしました。その原因はシステム上ですぐに特定することができますが、修理のために必要な交換部品の調達には約2週間かかってしまいます。製造システムの停止期間による損失は、約900万円ほどにのぼります。
2週間ものダウンタイムを軽減するため、修理用交換部品を社内で3Dプリントで製造することにしました。その際にかかった時間は、部品の3Dデータの作成に10分、造形に20分、洗浄に1分、硬化に3分。システムが停止してからおよそ1時間後には再稼働することができるようになりました。部品製造の3Dプリントにかかった費用は、材料代、電気代をふくめても650円ほどです。
高速で高精細な3Dプリンティング技術の活用によって、特定の部品を、いつでも自分たちで製造できるようになり、大幅なダウンタイムとコストの削減に成功しました。
接着剤メーカー大手であるAdhesives Technology社は、ハンガーに必要な金型を製造するのに射出成形技術を用いていましたが、世界情勢などの影響により、射出成型による生産が中止に追い込まれました。そこで、3Dプリンティングの活用を試みましたが、通常、ハンガーを造形するには単価コストがかかりすぎます。
3Dプリンティングの先端企業であるMerit3D社は、2週間かけて金型の設計をPhotocentricのLC Magna用に最適化しました。Merit3D社の支援により、Adhesives Technology社は100万個のハンガーの注文に対応できるようになり、高価な射出成形金型が不要になりました。また、ハンガーを特定の用途に合わせたカスタマイズや、設計の反復が可能になりました。3Dプリンティングの技術を使用することで、廃棄物も削減され、二酸化炭素排出量の削減も実現。現在、20台のLC Magnaの活用により、1日24,000個のハンガーを製造しています。
大企業が射出成形技術から3Dプリンティングに置き換えたことは、今後の製造業の発展の可能性に大きく貢献しています。
Phone Skope社は野鳥観察、野生生物、微生物学、占星術など用に、スマートフォンのカメラで繊細な画像やビデオを撮影できるデジスコープアダプターを製造しています。アダプターには、毎年リリースされる膨大な数の新しいスマートフォンのモデルに合致するよう、精密に設計されていることが求められます。しかし、従来製法では新しいモデルごとに専用の金型を作成する必要があり、さらにせっかく対応させたスマートフォン自体が不人気であれば、生産そのものが失敗におわる可能性が常にありました。
3Dプリンティング技術の採用は、新しい金型を作成する必要がないままに、多様なアダプターを製造することを可能にしました。さらに1個から製造できるため、発注の最小ロットもありません。求められる精度と耐久性を維持したまま、製造時間とコストを削減し、低リスクで柔軟に新しいモデルにカスタム対応できることは、スマートフォン用アダプター製造の未来の可能性を広げました。
Quimbaya Orfebreria社は、オリジナルジュエリーを製造するアルゼンチンの会社です。3Dプリンティング技術と職人の技術を合わせることで、生産量を400%拡大、製造時間を80%短縮した上、自社のコレクションに多くの複雑なデザインを導入することに成功しました。
同社は工房がフル稼働であるにもかかわらず、需要が供給を上回り始め、手作業による生産では新規注文を受けることができなくなりました。その解決策としてさらに金細工師を増やすことも検討されましたが、今のままの伝統的な方法だけを用いていては、依然として顧客に合わせた複雑なデザインを実現できないという問題が残されます。また手作業による製造は、鋳造、圧延、スタンピング、ヤスリ掛け、研削、圧着、研磨といった工程が必要となり、どうしても納品に時間がかかります。 そこで、生産レベルを向上させ、さらに設計上の制約を克服するために3Dプリンティング技術に注目しました。
ジュエリー、歯科模型、ミニチュアなど複雑な用途に最適なPhotocentricの3Dプリンターを組み込むことで、従来の制限は取り払われ、さらに工房の有資格者の職人により、伝統的な方法と高度な技術を完璧に融合させることで、非常に複雑で高品質な作品を毎日複数生産することが可能になりました。
Crack Eraser社は、3Dプリンティング技術の活用により、フロントガラスを修理するのに最も困難な点である、「ダメージが発生した衝撃地点のガラスの表層に穴を開ける」という難題を解決することができました。
解決に貢献したのは、修理のために必要なドリルコレットの開発です。ラピッドプロトタイピングと製造の両方の段階で3Dプリンティング技術を活用し、ドリルビットが各コレットに収まる深さをテストし、フロントガラスの修理がうまくいくかどうかを確認しました。そして、最適な設計ができると、わずか5時間で1,000個以上のカスタムドリルコレットを製造。従来、修理のための正しいテクニックを習得するためには、専門トレーニングや多くの練習、高度な技能が必要で、長い時間がかかっていましたが、新しいドリルコレットを使うことで習得までの手順が簡素化され、使用者がいつでも完璧な穴を開けることを可能にしました。
3D Next Levelのチームは、アート作品の鋳造パターン製造のために3Dプリンティング技術に注目しました。しかし、造形エリアの大きさや高精細であること、造形速度の速さから、当初の目的よりはるかに幅広い創造性を実現。鋳造用の部品、大型のオブジェクト、小さくて複雑な部品を製造し、展示作品を作成しています。
❶ Photocentric Studioを使用して3Dプリント用データを準備
パターンデザインをくり抜いたり、充填構造を追加したりできます。サポートも追加され、データは 3Dプリント用にスライスされます。
❷ 3Dプリント
造形にはDaylight Magna Draftを採用
❸ 後処理
造形品は洗浄・硬化されます。サポート材料が除去されて、鋳造の準備が整います。
❹ シェルリング、バーンアウトおよびインベストメント鋳造
造形されたパターンは、耐火セラミック材料を塗布され、高温炉で硬化されます。残りの中空シェルは、金属を流し込むための型として使用されます。