金属3Dプリンター

November 14, 2025

【用途別比較】Meltio M600/M450/Robot Cellの違い|金属3Dプリンターの選び方

Meltio社金属3DプリンターM600・M450・Robot Cellの違いを用途別にわかりやすく解説。銅造形、大型造形、補修、研究用途など目的別に最適な金属3Dプリンターが選べます。CNC工作機械への後付け(Engine CNC Integration)についても紹介。

金属3Dプリンターの導入を検討する際、「用途に合った機種を選べるか」は最も大きな課題です。

特にワイヤーDED方式で世界的に注目されている Meltio(メルティオ) は、3つの主要ラインナップ(M600 / M450 / Robot Cell)があり、初めて検討する企業にとっては違いが分かりにくい、という声が多くあります。

本記事ではMeltio社の日本総代理店である株式会社MadeHereが、Meltioの基礎知識から用途別の選び方を解説します。

1.Meltio社とは?世界的に注目される“ワイヤーDED方式”の金属3Dプリンター

Meltio はスペイン発の金属3Dプリンターメーカーで、
金属ワイヤーを直接溶融するDED(Directed Energy Deposition)方式 を採用しています。これはパウダー方式と異なり「粉末を使わない」ため、安全性とコストの低さが大きな特徴です。


ワイヤーDED方式の主なメリット
① 材料コストが圧倒的に安い(ワイヤー材)
ステンレス316Lの比較では、パウダー方式の場合と比較して1/5〜1/15の材料コストになるという研究結果もあります(AMPower調査より)。

② 安全性が高い(金属粉を使わない)

粉末飛散のリスクがなく、作業者も環境も安全。

③ 製造コストが全方式で最も低い(設備投資・ランニングともに低い)

Meltioは粉末方式より圧倒的にランニングコストが低い。
(ステンレス316L・3cm³/h造形時の比較)

④ 補修・肉盛り・大型造形に強い

DED独自の高速溶着により、摩耗部品の修理や大型設備部品の肉盛りにも最適。

<造形動画追加>

2.Meltio社金属3Dプリンター3機種の違い

M450

小型試作・研究向けの “エントリーモデル”
コンパクトなサイズ感で設置しやすい
・安価で導入しやすい

M600

銅造形・高速造形・長時間運転に対応する “フラッグシップモデル”
・ブルーレーザー搭載
・造形面積約4.9倍(M450と比較)

※ブルーレーザー:波長450nmで一般的な金属3Dプリンターの赤外レーザー(976nm前後) と比べて金属表面への吸収率が高いため、銅やアルミなど「光を反射しやすい金属」でも効率よく溶かせる。

Robot Cell

 大型造形・補修・肉盛りに対応する “ソリューションモデル”
・1m以上の造形に対応
・ロボット8軸搭
・載既存部品への追加造形

3.比較早見表

項目 Meltio M450 Meltio M600 Meltio Robot Cell
主な用途 研究・教育用途、小型試作、DEDの検証に適したエントリーモデル 新規金属部品の造形、高精度試作、小〜中型部品の量産準備 大型部品の造形、補修・肉盛り、既存部品へのクラッディング
造形サイズ 145 × 168 × 390 mm (小型部品・試験片向け) 300 × 400 × 600 mm (M450比で造形面積 約4.9倍・体積 約7.6倍) 約 2 × 1 × 1 m (ロボット可動範囲内で1m超の大型造形が可能)
造形方式 ワイヤーDED方式 ダイオードレーザー ワイヤーDED方式 450nmブルーレーザー搭載、高効率・高精度造形 ロボットアーム搭載DED方式 8軸制御による多方向造形
得意な材料・用途 ステンレス・インコネル・チタンなど 小型部品、材料評価、教育用途 ステンレス・インコネル・チタンに加え、純銅・銅合金など 銅ヒートシンク、コイル、機能部品の造形 ステンレス・インコネル・チタンなど 大型シャフト、金型・設備部品の補修や肉盛り
特徴 コンパクトで設置しやすく、DED入門機として最適。 ランニングコストも抑えやすい。 造形エリア拡大、ブルーレーザー&ホットワイヤー、 クアッドワイヤー対応で異種材料造形も可能。 ロボットセルとして必要設備が一式揃っており、 導入後すぐに大型造形・補修プロセスを構築できる。
おすすめの導入シーン 大学・研究機関、社内評価用の試作設備、 小ロット・試験的なDED導入を検討している企業 銅を含む高機能部品の開発、生産準備、 既存工程のリードタイム短縮・内製化を進めたい製造業 大型設備部品の補修・肉盛りでコスト削減を図りたい工場、 金型・シャフト・プロペラなどの再生ニーズがある現場

4.用途・目的で選ぶ!最適モデル診断

① 造形したい“材料”で選ぶ(特に銅はM600一択)

■ 銅(Pure Copper・CuCrZr)を造形したい → M600

M600はブルーレーザー(450nm)搭載により
銅の高反射率を克服し、安定造形を実現

M600で造形したロケットエンジン部品(素材:インコネル 718、銅)



■ ステンレス・チタン・インコネル → 全機種対応

M450:研究向けに最適

M600:高精度・長時間造形

Robot Cell:大型造形も可能

② 造形サイズで選ぶ

サイズ感と最適機種

手のひらサイズ→M450

中型(10〜40cm)→M600

大型(1m以上)→Robot Cell

③ 製造目的(新規造形 vs 補修)で選ぶ

● 新規造形 → M600

高精度・長時間運用が必要な部品に最適。

● 研究・学習用途 → M450

省スペース・低コストでDEDを学べる。

● 補修・肉盛り・追加造形 → Robot Cell

ロボット搭載による角度制御で
既存部品への肉盛り加工(クラッディング)が可能

5.各モデルの詳細解説


Meltio M450|教育機関・研究用途で最も人気のエントリーモデル

  • 省スペース & 高い安全性
  • 研究/試作/異種金属接合に強い
  • Meltio製品でも最も導入しやすい価格帯


仕様抜粋

  • 造形エリア:145×168×390 mm
  • レーザー:ダイオードレーザー(976nm)
  • 材料:ステンレス・インコネル・チタン・軟鋼 など

Meltio M600|銅造形・高速造形に特化したフラッグシップ

● 造形エリアがM450の約4倍

→ 300×400×600 mm

● 新搭載のブルーレーザー(450nm)により材料適性が大幅UP

銅や反射率の高い材料が安定造形できる。

● 異種材料のクアッドワイヤー(4本)対応

1つの部品に異なる性質の材料を組み合わせ可能。

● ホットワイヤー対応で堆積効率UP

● 造形開始準備時間が3分の1(M450と比較)

Meltio Robot Cell|大型造形・補修向けのソリューションモデル

Robot Cellは“装置”ではなく“完成された生産セル”。
導入してすぐに大型造形が可能

主な強み

  • ロボット8軸による造形自由度
  • 既存品への肉盛り(クラッディング)
  • バイメタル造形(異種材料の組み合わせ)
  • 1m以上の大型部品造形が可能
    (鉄道部品・プロペラ・油圧部品などの事例が多数)

仕様抜粋

  • 造形エリア:2×1×1 m
  • レーザー:6×200W ダイレクトダイオード
  • ソフト:Meltio Space
  • 対応材料:SUS / インコネル / チタン / 軟鋼 / 銅(開発中含む)

6.関連ソリューション
CNC工作機械に後付けできる Meltio Engine(CNC Integration)

Meltioには M450/M600/Robot Cell のほか、
既存のCNC工作機械に金属積層(DED)機能を追加できる “Engine CNC Integration” という別ラインの製品もあります。

これは、マシニングセンタ(に Meltioの積層ヘッドを後付けし、
金属の積層(ADD)と切削加工(SUB)を1台で切り替えながら行えるハイブリッド加工 を実現するものです。

金属3Dプリント+CNC加工”を同じ機械で行えるのが最大の特徴です

  • 摩耗部品の補修(肉盛り→その場で仕上げ加工)
  • 既存部品への追加造形(Add-on)
  • 金型の局所修復
  • 削り代を最小化して材料コストを削
  • 積層→切削→積層など複合プロセスを1台で完結

CNCメーカーへの後付け実績

当社ではこれまでに、
・MAZAK(ヤマザキマザック)
・HAAS(ハース)
など大手CNCメーカーの工作機械と Meltio Engine の統合実績があります

「既存のCNCをそのまま活かしつつ、金属3D造形の領域も広げたい」という企業に最適です。



7.Meltioが選ばれる理由


● 導入しやすい設備投費用感
(パウダー方式の半額以下)

材料コストが最も安い

金属粉末と比べ 1/10〜1/20

● エネルギー消費も最少

ブルーレーザー搭載の M600 は特に省エネ

8.まとめ|用途で選べば最適モデルは必ず決まる

小型試作・研究 → M450
銅造形・高精度 → M600
大型造形・補修 → Robot Cell

最終的には
「作りたい部品」「材料」「サイズ」「改善したい課題」
で決まります。

9. 導入・受託製造依頼をご検討の方へ

株式会社MadeHereはMeltio社金属3Dプリンターの販売・レンタル・受託造形サービスを行っています。
3Dプリントのことは、エンジニアリング力に強みを持つ3Dプリンター専門会社の弊社にお任せください。

・Meltioで作りたい部品がが造形可能か知りたい
・適切なモデルを相談したい
・金属3Dプリンターで部品の造形依頼をしたい
・Robot Cellが工場に導入できるか判断したい
・購入前にレンタルをしたい

お問い合わせはこちら

横浜市鶴見区の本社工場では工場見学を随時承っております。
・‍実機を見てみたい
・造形サンプルを見てみたい
・最適な3Dプリンターを比較したい
・3Dプリンターについて詳しい説明を聞きたい
という方におすすめです

工場見学の詳細はこちら

M600

銅造形・高速造形・長時間運転に対応する “フラッグシップモデル”
・ブルーレーザー搭載
・造形面積約4.9倍(M450と比較)

※ブルーレーザー:波長450nmで一般的な金属3Dプリンターの赤外レーザー(976nm前後) と比べて金属表面への吸収率が高いため、銅やアルミなど「光を反射しやすい金属」でも効率よく溶かせる。

Robot Cell

 大型造形・補修・肉盛りに対応する “ソリューションモデル”
・1m以上の造形に対応
・ロボット8軸搭
・載既存部品への追加造形

3.比較早見表

項目 Meltio M450 Meltio M600 Meltio Robot Cell
主な用途 研究・教育用途、小型試作、DEDの検証に適したエントリーモデル 新規金属部品の造形、高精度試作、小〜中型部品の量産準備 大型部品の造形、補修・肉盛り、既存部品へのクラッディング
造形サイズ 145 × 168 × 390 mm (小型部品・試験片向け) 300 × 400 × 600 mm (M450比で造形面積 約4.9倍・体積 約7.6倍) 約 2 × 1 × 1 m (ロボット可動範囲内で1m超の大型造形が可能)
造形方式 ワイヤーDED方式 ダイオードレーザー ワイヤーDED方式 450nmブルーレーザー搭載、高効率・高精度造形 ロボットアーム搭載DED方式 8軸制御による多方向造形
得意な材料・用途 ステンレス・インコネル・チタンなど 小型部品、材料評価、教育用途 ステンレス・インコネル・チタンに加え、純銅・銅合金など 銅ヒートシンク、コイル、機能部品の造形 ステンレス・インコネル・チタンなど 大型シャフト、金型・設備部品の補修や肉盛り
特徴 コンパクトで設置しやすく、DED入門機として最適。 ランニングコストも抑えやすい。 造形エリア拡大、ブルーレーザー&ホットワイヤー、 クアッドワイヤー対応で異種材料造形も可能。 ロボットセルとして必要設備が一式揃っており、 導入後すぐに大型造形・補修プロセスを構築できる。
おすすめの導入シーン 大学・研究機関、社内評価用の試作設備、 小ロット・試験的なDED導入を検討している企業 銅を含む高機能部品の開発、生産準備、 既存工程のリードタイム短縮・内製化を進めたい製造業 大型設備部品の補修・肉盛りでコスト削減を図りたい工場、 金型・シャフト・プロペラなどの再生ニーズがある現場

4.用途・目的で選ぶ!最適モデル診断

① 造形したい“材料”で選ぶ(特に銅はM600一択)

■ 銅(Pure Copper・CuCrZr)を造形したい → M600

M600はブルーレーザー(450nm)搭載により
銅の高反射率を克服し、安定造形を実現


M600で造形したロケットエンジン部品(素材:インコネル 718、銅)

■ ステンレス・チタン・インコネル → 全機種対応

  • M450:研究向けに最適

  • M600:高精度・長時間造形

  • Robot Cell:大型造形も可能

② 造形サイズで選ぶ

サイズ感と最適機種

手のひらサイズ→M450

中型(10〜40cm)→M600

大型(1m以上)→Robot Cell

③ 製造目的(新規造形 vs 補修)で選ぶ

● 新規造形 → M600

高精度・長時間運用が必要な部品に最適。

● 研究・学習用途 → M450

省スペース・低コストでDEDを学べる。

● 補修・肉盛り・追加造形 → Robot Cell

ロボット搭載による角度制御で
既存部品への肉盛り加工(クラッディング)が可能

5.各モデルの詳細解説


Meltio M450|教育機関・研究用途で最も人気のエントリーモデル

  • 省スペース & 高い安全性

  • 研究/試作/異種金属接合に強い

  • Meltio製品でも最も導入しやすい価格帯


仕様抜粋

  • 造形エリア:145×168×390 mm

  • レーザー:ダイオードレーザー(976nm)

  • 材料:ステンレス・インコネル・チタン・軟鋼 など

Meltio M600|銅造形・高速造形に特化したフラッグシップ

● 造形エリアがM450の約4倍

→ 300×400×600 mm

● 新搭載のブルーレーザー(450nm)により材料適性が大幅UP

銅や反射率の高い材料が安定造形できる。

● 異種材料のクアッドワイヤー(4本)対応

1つの部品に異なる性質の材料を組み合わせ可能。

● ホットワイヤー対応で堆積効率UP

● 造形開始準備時間が3分の1(M450と比較)

Meltio Robot Cell|大型造形・補修向けのソリューションモデル

Robot Cellは“装置”ではなく“完成された生産セル”。
導入してすぐに大型造形が可能

主な強み

  • ロボット8軸による造形自由度

  • 既存品への肉盛り(クラッディング)

  • バイメタル造形(異種材料の組み合わせ)

  • 1m以上の大型部品造形が可能
    (鉄道部品・プロペラ・油圧部品などの事例が多数)

仕様抜粋

  • 造形エリア:2×1×1 m

  • レーザー:6×200W ダイレクトダイオード

  • ソフト:Meltio Space

  • 対応材料:SUS / インコネル / チタン / 軟鋼 / 銅(開発中含む)

6.関連ソリューション
CNC工作機械に後付けできる Meltio Engine(CNC Integration)

Meltioには M450/M600/Robot Cell のほか、
既存のCNC工作機械に金属積層(DED)機能を追加できる “Engine CNC Integration” という別ラインの製品もあります。

これは、マシニングセンタ(に Meltioの積層ヘッドを後付けし、
金属の積層(ADD)と切削加工(SUB)を1台で切り替えながら行えるハイブリッド加工 を実現するものです。

金属3Dプリント+CNC加工”を同じ機械で行えるのが最大の特徴です

  • 摩耗部品の補修(肉盛り→その場で仕上げ加工)

  • 既存部品への追加造形(Add-on)

  • 金型の局所修復

  • 削り代を最小化して材料コストを削減

  • 積層→切削→積層など複合プロセスを1台で完結

CNCメーカーへの後付け実績

当社ではこれまでに、
・MAZAK(ヤマザキマザック)
・HAAS(ハース)
など大手CNCメーカーの工作機械と Meltio Engine の統合実績があります

「既存のCNCをそのまま活かしつつ、金属3D造形の領域も広げたい」という企業に最適です。



7.Meltioが選ばれる理由


● 導入しやすい設備投費用感
(パウダー方式の半額以下)

材料コストが最も安い

金属粉末と比べ 1/10〜1/20

● エネルギー消費も最少

ブルーレーザー搭載の M600 は特に省エネ

8.まとめ|用途で選べば最適モデルは必ず決まる

  • 小型試作・研究 → M450

  • 銅造形・高精度 → M600

  • 大型造形・補修 → Robot Cell

最終的には
「作りたい部品」「材料」「サイズ」「改善したい課題」
で決まります。

9. 導入・受託製造依頼をご検討の方へ

株式会社MadeHereはMeltio社金属3Dプリンターの販売・レンタル・受託造形サービスを行っています。
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